論文の概要、リスニングに関連する知見、impact factorなど
 
論文題目   Otake, T., Hatano, G., Cutler, A. and Mehler, J. (1993) "Mora or phoneme? Speech segmentation in Japanese," Journal of Memory and Language 32, 258-278, Elsevier, UK.
学術誌情報 Journal of Memory and Languageは心理言語学系の国際学術誌で、国際的なレベルでの学術誌の実力度を示すimpactfactor(2006年度)は、2.83でAppliedLinguisticsのカテゴリーでトップに位置するものです。
論文の概要 日本語の連続音声の分節が言語のリズムを構成するモーラによっているかどうかを世界で初めて検証を行った論文です。先行研究ではフランス語はシラブルタイミングの構成単位である音節、英語はストレスタイミングの構成単位であるストレスによって分節を行うことが明らかにされていますが、この論文では日本語のリズムがモーラタイミングであることからモーラによって分節を行うとの仮説を立て実験を行ったところ、仮説を支持する結果が得られました。連続音声の分節を行う単位が言語のリズムと密接に関連することを第三のリズムを持つ日本語で証明したところに大きな意義があります。
リスニングの知見   日本語話者はモーラという音韻単位で分節を行っている可能性が高いという点にあります。つまり、日本語話者のリスニングでは英語話者とは異なるモーラという単位で分節している可能性があります。 


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