論文の概要、リスニングに関連する知見、impact factorなど

論文情報  Otake, T., Hatano, G., and Yoneyama, K. (1996) "Speech segmentation by Japanese," In T. Otake and A. Cutler (Eds.) Phonological Structure and Language Processing: Cross-linguistic Studies, 183-201, Mouton de Gruyter, Berlin
学術誌情報 Phonological Structure and Language Processing: Cross-linguistic Studiesは、Human Frontier ScienceProgramの国際研究助成の最後の会議に外部の第一線の研究者を招待して開かれた国際フォーラムで発表された原稿を基に出版した論文集です。言語関係の出版では定評のあるドイツのベルリンにある Moutonから出版されたもので心理言語学の分野では、Jacque Mehler, AnneCutlerなどの研究者、言語学の分野ではJunko Ito, MaryBeckman、原口庄輔、窪薗晴夫などの研究者の論文が含まれています。
論文の概要 日本語の連続音声の分節の音韻単位の研究を発展させたもので、日本語話者にフランス語、英語、スペイン語の各言語を聞かせ、外国語の分節の単位に関する検証を行った論文です。外国語に対する分節の単位は、母語を分節する際に使用する言語のリズムによって決定されることが先行研究で明らかにされています。そこで、この論文では日本語話者はモーラタイミングの構成単位であるモーラによって外国語を分節することを仮説として、実験をしたところ支持されました。つまり、日本語話者は、モーラによって外国語を分節する可能性が高いことを証明したところに大きな意義があります。
リスニングへの知見   日本語話者は日本語を分節するモーラの単位を外国語に対しても適用しているところがポイントです。つまり、分節のプロセスにおいても母語の仕組みを外国語に対しても持ち込む母語の干渉が存在します。

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